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エンジニアの正社員とフリーランスの違いをまとめてみた
エンジニアとして正社員とフリーランス、どちらが良いのか迷っていますか?この記事では、収入、勤務時間、法的側面など、両者の違いを詳しく解説。あなたのキャリア選択に役立つ情報が満載です。
公開日:2023年9月28日
最終更新日:2023年11月28日
目次
「正社員」と「フリーランス」どっちがいいんでしょうか?という話。
正社員とフリーランスの基本的な違い
正社員とフリーランスの収入について
勤務時間と休日の制約
仕事について
まとめ
BlackBoxについて
「正社員」と「フリーランス」どっちがいいんでしょうか?という話。
正社員 or フリーランス
度々、SNSでバトルがなされたり、ポジショントークが繰り広げられたり...色々な意味で話題にあがることが多いです。
世の中にたくさん情報はありますが、運営としてもまとめておきたいなぁと思い本記事を書くことにしました。
結論!...です!ということは特に本記事では述べません。
エンジニアにおける「正社員」と「フリーランス」を掘り下げて解像度を高めていけたらということを目的としてまとめていければと思います。
正社員とフリーランスの基本的な違い
まず第一に
「正社員」は雇用されている、「フリーランス」は雇用されていない、という点が一番大きな違いと言えます。
「雇用されているか、いないか」ここが違うからあらゆることが自動的に変わってきます。
フリーランスは雇用されていないため、雇用されている人の法律は適用されません。
これをまず認識しておきましょう。
※但し、実態として労働者として扱われているかどうかで「フリーランスであっても労働関係法令の保護を受ける」可能性があることは頭にいれておいてください→参考(スライド13行目)
一方、正社員は人を雇う時のルールが適用されます。
詳細まで述べませんが、労働契約をしっかり結びましょうだったり、就業規則を決めましょうだったり、社会保険に入りましょうだったり、まぁ色々あります。
参考 : 人を雇う時のルール(厚生労働省)、労働基準法
余談ですが、言葉だけやたらと有名な「36協定」は労働基準法の第三十六条に定められた労使協定のことです。
1947年に帝国議会によって制定された法律なので「坑内労働」とか時代を感じるワードがあったりして面白いです。
では、フリーランスには何も法的な縛りが適用されないということでしょうか?
もちろんそんなことはありません。ほとんどのフリーランスが業務委託契約を自ら締結しているはずです。これは大きくは民法の範囲で定義されています。
ただし、当事者間で契約内容を交渉できるため、仕事によって契約条件が多岐に渡って存在します。
準委任契約なのか、請負契約なのかはもちろんですが、損害賠償に関する取り決めや、支払いに関する取り決めなども含めて全て自分で交渉、判断、締結する必要があるわけです。
また、契約毎の注文書のやりとりなどの手続きも全て自分の責任となります。
正社員よりも圧倒的に自由度が上がっているわけですね。
このような煩雑な手続きや取り決め、取引リスクなどを肩代わりするため、最近ではフリーランス活用を促す仲介プラットフォームサービスが増えていますね。ある種のビジネスチャンスにもなっているわけです。
いずれにしても何も考えず、好きにできる職業というわけではない、という認識をもっておくのが吉だと思います。
表面上の甘い部分だけを取り上げて誘い込むような業者も増えてきているため、どのような契約内容で仕事をするのか自らの頭と目で必ず角煮をしてください。
国も具体的な注意喚起や対応策をとるようになってきています。
2021年にフリーランスガイドラインが作られたり、2023年5月12日にフリーランス保護新法が公布され、2024年の秋までに施行予定です。
ちなみに言葉の定義の話ですが、正社員は通称です。
定義としては無期限で雇用されている労働者を正社員とすることが多いです。
一方フリーランスは「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、 自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指す」と国がガイドライン上で定義しています。
次に、いくつかの観点で正社員とフリーランスを比較してみましょう。
正社員とフリーランスの収入について
まずはフリーランスの収入について考えてみましょう。
「フリーランスになると年収1000万円は余裕~♪」みたいな感じの言葉をSNSとかでよく目にすることはありませんか?
余裕かどうかは置いておいてフリーランスの一番の魅力は収入面のアップであることは間違いないです。
でも、なぜ収入が増えるように言われているのでしょうか?少し整理してみましょう。
観点としては幾つかありますが、
- 雇用の調整弁としてのリスクプレミアム
- 中抜きマージンの排除
- 営業力
- スペシャリティ
- 馬力勝負
の5つがあがるのではないかと思います。
1. 雇用の調整弁としてのリスクプレミアム
雇用の調整弁?リスクプレミアム?難しい言葉が並びますが、
企業の視点から考えるとよくわかります。
企業「このプロジェクトを受注したいけど、エンジニアが足りないなぁ。他の案件からも人を回せないし、ITエンジニアを採用しよう!」 ↓ 企業「でもこのプロジェクトは半年で終わる予定なんだよぁ、採用するまでもないなぁ。都合よく半年でやめてくれる人いないかなぁ...」
という時に、フリーランスのように契約期間を調整できる役割は重宝します。
そのため契約金額も正社員で採用するときよりも高く見積もることが多いです。
契約を切れるリスクを負わせることに対してに対してプラスのお金を載せているわけです。
日本において雇用することは重いですから。
ただ気づいた人もいるかもしれませんが、これ別にフリーランスでなくてもいいのです。
客先常駐(SES)、派遣契約でも成立します。
むしろ、バックれるリスクなどの信用問題から客先常駐、派遣が選ばれることが多いように思います。
離れ業として、一時的にフリーランスに懇意のSES会社と有期雇用契約を結んでもらって、わざわざ企業間の取引とする会社もあったりするほどですから。
2. 中抜きマージンの排除
SNSなどで一番語られるポイントではないでしょうか?
特に客先常駐や派遣で働いているエンジニアに向けてですが、会社が挟まることで自分の稼いでいる単価の何%かが抜かれてしまっているため、これを排除して全て自分のものとして獲得しようという考え方です。
企業のもつ信用力や事務工数、営業力などがなくなるため、その分フリーランス個人としての能力が求められますが、うまくいけば即自分の収入が高まります。
3. 営業力
あなたの営業力が高ければ直接顧客と交渉が可能です。
営業力が高ければ安易な安売りをせず、自分の思うような金額で思うような業務内容で働くことができます。
特に社会性の高いエンジニアであれば既存のコネクションを活用したりとやりようはたくさんあるでしょう。
後述の4と重なりますが、自分の力次第で変わるポイントです。
4. スペシャリティ
特定の技術知見、希少性の高い経験は、その人しか持たない強みを生み、仕事を獲得できます。
本来のフリーランスというと語弊があるかもしれませんが、まさに傭兵です。
会社の雇用の枠組みでは最大限活用できないため、別の枠組みの契約でアウトプットをだしてもらおうというものになります。
当然契約金額は高くなります。
5. 馬力勝負
あなたの体力の限界がなければ無限に仕事ができます。
フリーランスに労働基準法は関係ありません。土日祝日もない、定時もない。
好きなだけ仕事をしてお金を稼いで稼ぎまくる馬力勝負。
SESもするし、請負案件もする!なんでもいくらでもしたらぁ!フリーランスとしての強みです。
以上、これらの要素を複数組み合わせることで、「フリーランスとして年収1000万円は余裕〜♪」の話がでてきているのではないかと思います。
ただ、フリーランスは「無期限で雇用される」というわけではありません。
大抵の場合は、3ヶ月(四半期)、6ヶ月(半期)などの期間の契約となります。
常に職を失うリスクを抱えているわけです。
そのリスクヘッジのためいわゆる太客、安定した契約や密接な関係がある顧客が複数できるまで安心はできないでしょう。
フリーランスの収入ってなに?
また、フリーランスの収入はあくまでも売上です。
口座に振り込まれたお金が全てが自分のものというわけではないのです。
振り込まれた金額の内、何割かを納税する必要があります。
SNSの誰かが年収1000万円といっても、それは口座に振り込まれたお金なのか、最終的に手元に残っているお金を指しているのか注意しましょう。
ただ、フリーランスのお金周りの処理については、デメリットばかりではありません。
実はここがフリーランスの強みでもあったりします。
フリーランスには正社員と比べて少なくともお金を振り込まれてから納税するまで猶予時間が発生しています。
その間に先に使いたいことにお金を使ってしまってもいいですし、翌年支払う税金のために使わず貯めておくだけでもいいです、
そこはフリーランスの自由。
ただ、せっかくフリーランスになったのであれば、攻めの姿勢で経費をガンガン使って課税所得を減らして売上利益拡大を目指すのがよいでしょう。
それこそ名実ともに「事業主」です。
正社員のお金に関するメリット
さて、今度は正社員の収入についてです。
雇用されている限り毎月お給料が正社員には支払われます。
相当問題行動を起こさない限り、その金額も下がらないし解雇もできない。
労働基準法が雇用を守ってくれる。
強いです。
また、仕事のアウトプットに関わらずお給料がもらえる安心感というのもプライベートの充実、メンタル面の安定にもつながります。
事務工数の面でも正社員は楽です。
会社が源泉徴収をしてくれるので税金について深く考える必要はなく、口座に振り込まれたお金は全て自由に使えるわけです。
まさに安定という感じですね。
お金の面でもプライベートの面でもある程度の水準が確保されているのが正社員といえます。
ただ、あくまでも頼る会社がしっかりしていないと成立はしません。
世の中にはブラック企業もたくさんありますし、
それこそ突然頼っていた会社が倒産ということもあります。
そこはどの会社を選ぶかで大きく変わってくるのが実情でしょう。
勤務時間と休日の制約
正社員の場合、定時がありますね。
8時開始でも。
9時開始でも。
それまでに業務を開始しなくてはいけない。
人によっては辛いポイントです。
最近はスーパーフレックスで定時を定めていない場合もあった、Webサービス系の企業はより柔軟に対応しようと考えていたりと、幅は広がっています。
休日については、週休2日で土日が休みと定められていることがほとんどです。 (よく罠と言われる完全週休2日と週休2日の違いはこちら
フリーランスはといえば、契約次第。あなたの裁量で働けます、と言いたいところですが、 フリーランスもあまり変わらないというのが実情かもしれません。
働く時間は契約次第で自由に調整できるものの、企業を相手に業務を進めるため、必要な打ち合わせや 業務上のやりとりが発生し、企業と同じ時間に固定される時間が多いためです。
仕事について
正社員にとって仕事は与えてもらう場合が多いでしょう。
すでに何がしたいかの目的があり、その目的に合わせて業務を遂行する。
大概の場合は入社前の面談で求められる期待した役割の擦り合わせとそれについての合意の上、採用となります。
どのような目的のために何をするのか?ゼロから作るという仕事をする人は稀です。
その場合、役割として役員クラス、部長クラスとエグゼクティブ転職の範囲、一般でいう正社員ではなくスペシャリスト枠として組織を指揮する形がほとんどです。
フリーランスは事業主として、何もないところから自らを売り出し、自ら独自の価値を顧客に提供する...というのが理想ではありますが、多くのフリーランスは社員代替としての役割を担っているのが実情でしょう。
すでにやりたいことがある顧客に対して求められる業務やシステムを提供するということ、それは一般的な正社員と変わらないといえます。
フリーランス向けの案件プラットフォームを見ればわかりますが、多くの場合、すでに存在する開発プロジェクトのプロジェクト管理や、設計・開発などそれぞれの分野で機能する役割が求められています。
正社員の場合、プロジェクト単位での採用というわけにはいかないので、長期的な教育やキャリアプランを勘案しますが、フリーランスは目先のみをみて契約できるため、扱われ方は必然的に変わってきます。
特にシステム開発の現場においては正社員は「プロパー」という言葉で表現されることがあります。
会社内での業務権限やセキュリティ権限などの違いにより役割が限定されることも多いため、業務の違いが発生することもよくある話です。
まとめ
正社員、フリーランスどちらも良い点悪い点はありますが、2023年秋現在はどちらかというとフリーランスは下火になってきているのかなという印象です。
近年のフリーランス煽りや副業解禁などの世論の動きから、質を問わずフリーランスの母集団形成がなされた結果、企業の目も肥えてきました。
単にフリーランスだからといって採用することはなくなり、見極めを行い判断することが増えています。(物珍しさでフリーランス採用というのはもうすでになくっている気がします)
フリーランスにとっては周辺サービスの整備(フリーランスエージェントやフリーランス向け保険)が進んでいるのは良い話ですが、フリーランス個人のコネクションや強みがより評価される傾向だと思います。
キャリアアップのためのきっかけとしてフリーランス化は最大限活用してほしいですが、その分リスクもついてきますのであなたの能力や特性、比較となる選択肢を考慮して活用してほしいと思います。
筆者 : BlackBox運営
BlackBoxについて
記事はこれで終了です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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